

歯科通信
Dental News歯周病がインフルエンザ発症に関係?!
例年、インフルエンザの流行が心配なこの時期ですが、インフルエンザと口腔ケアの関係をご存じでしょうか。口腔衛生状態とインフルエンザの発症には密接な関係があります。今回は前回に引き続き歯周病とインフルエンザの関係をご紹介致します。
ウィルス感染のしくみ
細菌は粘膜の付着のみで炎症を引き起こすのに対し、ウィルスは付着後細胞の中に侵入することで感染し、喉の痛みや発熱を引き起こします。インフルエンザウイルスの表面には「ヘマグルチニン(HA)」と「ノイラミニダーゼ(NA)」という2つの酵素があります。HAは鍵のような役割をしており、NAはハサミのような役割をしています。HAが細胞膜をこじ開けて細胞内に侵入・増殖し、NAが隣の細胞に増殖したウイルスを放出し感染が拡大します。

インフルエンザの発症に歯周病が関係
歯周病との関係について、歯周病菌が持っているタンパク質分解酵素がこのインフルエンザウイルスのHAを活性化させると言われており、インフルエンザウイルス単独よりも感染の拡大が速いという研究結果が出ています。また、歯科衛生士による口腔ケアを受けている方は受けていない方に比べてインフルエンザの発症率が低いという報告もあり、特に高齢者では合併症である肺炎の予防につながると言われております。

お口の衛生管理でインフルエンザ予防!
歯周病菌は抗生物質や身体の免疫では除去できず、歯磨きで歯垢(プラーク)を除去することで細菌数を減らすことができます。毎日のセルフケアや歯科医院で行うプロフェッショナルケアを定期的に行うことでインフルエンザの予防に努めましょう。